マイホームとの出会い
あれはまだ娘が2歳にも満たない頃でした。
当時、お互いフルタイム勤務にも関わらず利便性の悪いエリアから通勤する生活をしていた私たち夫婦。
子供も居ることだし、マイホームを探そう!
週末の休みを利用して物件探しをしていました。
そんな中で出会ったとある建売物件。
駅からはやや距離があったものの、南向きで日差しを遮るようなものは無く、間取りも夫が希望していたものにほぼ近い家でした。
小さいながらも庭つきで、子供が大きくなったらちょっとした庭遊びができるな、と思ったりもしました。
小学校や小さな公園が近くにあり、少し距離があるものの大きい公園もありました。
土地柄、それなりの価格がついていましたがまさに運命的な出会いに夫婦で浮かれてしまい、即決したのです。
恥ずかしながら、この当時既に『道路族』という存在は知っており信じられないかもしれませんが、道路族が発生しないような物件探しをしたつもりでした。
単純に袋小路の立地や旗竿地を避ければ良いと考えていた私。
ましてやそれなりの価格帯の建売が建ち並ぶエリアにそんな非常識な人が居るわけない。
何故かそんな自信を持っていました。
…今思えば新興住宅地、オープン外構、各家々に面した車幅がそれなりにある道路…
道路族が出ますよ!と言われんばかりの宅地でした。
ほんとに知識不足、リサーチ不足も良いとこですよね。
今だったら絶対に買いません。
が、当時の私にそんな先見の名がある訳ありません。
色々な手続きを済ませ、無事に晴れて入居!
ご近所さんへの挨拶も終わり、これから始まる新天地での生活にワクワクしていました。
最初の違和感は入居して1ヶ月のこと、ベランダで洗濯物を干していた時のことです。
我が家の斜め前の角地のお宅のご主人が外に出て何か作業をしているのです。
よく見るとそれは実際に乗車ができる電動の車のおもちゃでした。
そしてご主人が組み立て終わると、息子さん2人が交代でそのおもちゃに乗り、楽しそうに住宅街を周回していました。
時間が経つと他の同い年くらいの子供たちも数人集まって、交代で乗っては周回を繰り返していました。
斜め前の宅のご主人もにこにこしながら付き添い、様子を見ていました。
その時はまだうきうきモード全開でしたので、どこかモヤァっとした気持ちがあるだけで特段気にしませんでした。
今でも不思議なのですが、ああいうのって何でいつの間にかわんさか集まってるんですかね?
うちの娘は内向的な性格でお外遊びよりおうちで絵を描いたり折り紙をしたり、工作をするのが好きなためか分かりませんが、今に至るまで一度も『お友達が外で遊んでるからお外行きたい!』とせがまれたことはありませんし、もし外遊びがしたくなっても『公園に行こう!』と言います…。
ママさん同士でLINEグループでも作ってて、呼び出しでもしてるのでしょうか…ほんと謎です…。
何となくですが斜め前のお宅の存在が少し気になりつつも、新居での充実した生活が始まったのでした…。